審査員総評
今回は広がりのある風景写真の応募が多く、入賞作品にもその傾向が見られました。
応募作には、季節感豊かな風景や福井県の農産物、日常の感動を捉えたものなど、さまざまな視点が光っていました。一方で、意外にも、これまでの5回の中で福井県特産品「らっきょう」の花をテーマにした作品がなかったように感じています。
写真には、撮ること、見返すこと、発表すること―楽しみがたくさんあります。展示を通じて、人々がつながる楽しさもあります。各地での展示が多くの人々に喜びをもたらすことを期待しています。
これからも、美しい「農ある風景」を発見し、写真を通じてその魅力を伝えていただければうれしく思います。
最優秀賞
『棚田情景』
撮影者 伊藤 雅明 撮影場所 小浜市田烏(たがらす) 撮影時期 令和3年9月 『棚田情景』選評
小さな棚田を大きく見せる画面構成の巧みさが光ります。手前に広がる黄金色の棚田と奥の濃紺の海を対比させることで、棚田の存在感が際立っています。
海岸線近くの斜面に築かれたこの棚田には、農業の厳しさと美しさが共存していることが感じられます。また、小さく写る農作業者の姿が、単なる美しい景色ではなく「人が関わる営みの場」として印象づけています。
静かな田舎に響くトラクターの音、そして漂う稲わらの匂いまでもが、写真を通して感じられるようです。優秀賞
『麦秋を行く』
撮影者 小野 幸一 撮影場所 坂井市春江町千歩寺(せんぼうじ) 撮影時期 令和5年5月 『麦秋を行く』選評
鉄道の車両とカントリーエレベータの組み合わせが面白く、さらに、黄金色に実る麦が季節感を強烈に届けてくれます。青い空とのコントラストも鮮やかで、丁寧な構図で写し取られました。
「コシヒカリのふるさと」という文字が、福井県がコシヒカリ発祥の地であることを力強く伝えています。優秀賞
『天空の楽園』
撮影者 藤村 留美 撮影場所 敦賀市原(はら) おお原の里 撮影時期 令和6年10月 『天空の楽園』選評
朝霧の中で鮮やかに咲き誇るコスモス畑のスケール感が見事に伝わってきます。
朝日をハーフNDフィルターで調整し、光の輝度差をコントロールする高度な撮影技術も秀逸です。そのうえで、花々がそれぞれ光を求めているかのような擬人化表現が、作品に物語性を与えています。優秀賞
『清流に恵まれて』
撮影者 牧野 妃佐己 撮影場所 越前市上真柄町(かみまからちょう) 撮影時期 令和7年1月 『清流に恵まれて』選評
清流を利用した暮らしが息づく集落の風景には、どこか安心感を覚えます。澄んだ川の美しさもさることながら、女性が野菜を洗う姿からは、ここで人々が自然と共に生き、日々の何気ない会話がここで交わされている様子が伝わってきます。
奥行きを感じさせる構図も印象的です。入選
『夏花つみ』
撮影者 春田 進 撮影場所 南条郡南越前町上野(うえの) 撮影時期 令和6年8月 入選
『ご馳走探し』
撮影者 原田 壽 撮影場所 敦賀市野坂(のさか) 撮影時期 令和5年10月 入選
『楽しい長話』
撮影者 江守 智加枝 撮影場所 鯖江市鳥羽町(とばちょう) 撮影時期 令和6年9月 入選
『姫レンゲ』
撮影者 坂本 英継 撮影場所 大野市八町(やまち) 撮影時期 令和6年5月 入選
『一から作りだす』
撮影者 加藤 和奏 撮影場所 越前町 朝日地区 撮影時期 令和6年9月 地域部門賞(福井)
『ふくいの春景色』
撮影者 佐々木 徹 撮影場所 福井市中毘沙門町(なかびしゃもんちょう) 撮影時期 令和6年4月 地域部門賞(坂井)
『冬の使者』
撮影者 石黒 政子 撮影場所 坂井市坂井町上兵庫(かみひょうご) 撮影時期 令和5年12月 地域部門賞(奥越)
『花園の田植え』
撮影者 室田 曻 撮影場所 大野市飯降(いふり) 撮影時期 令和4年4月 地域部門賞(丹南)
『生』
撮影者 渡辺 修一 撮影場所 鯖江市田村町(たむらちょう) 撮影時期 令和5年6月 地域部門賞(嶺南)
『棚田の夕』
撮影者 塚谷 靱負 撮影場所 小浜市田烏(たがらす) 撮影時期 令和6年4月
最終選考作品
実行委員会より
惜しくも入賞は逃しましたが、最終選考まで残った6作品をご紹介いたします。