審査員総評
今回は丁寧な構図や明確な狙いの見える作品が全体的に増えた印象です。その中で、土地の人や風景に近づいて写すことで、撮影者の気持ちが強く入った写真を上位入選作品に選ばせていただきました。技術的な写真表現が優れていることに加えて作者の独自の視点で捉えられた作品です。風景に寄り添っているような雰囲気で、作品から“行ってみたい”とか“温かいな”とか感じさせていただきました。一方、応募作品には、季節の偏りがあり、桜や雪景色が少なかったように思いました。様々な季節の中で、美しい“農のある風景”を発見していっていただけたらうれしいです。
最優秀賞
『力、合わせて』
撮影者 前田 守博 撮影場所 大野市木ノ本 撮影時期 令和4年4月 選評
背景は日本百名山の荒島岳、前景はビニールで覆われた野菜畑。働くお二人を丁寧に配置する構図で写された作品です。畑の土が農機具によって激しく飛び散っていて山麓には農作業の大きな音が響いていることでしょう。土の匂いが届いてくるようにも感じられました。
優秀賞
『美脚ぞろい』
撮影者 向出 隆一 撮影場所 福井市石橋町 撮影時期 令和4年12月8日 選評
魚眼レンズの湾曲する特性が活かされ驚きがある作品です。加工用に干されただいこんの白、晴れ渡る冬の空の青、畑の残されたケースの赤、シンプルな色彩のバランスも魅力的です。置かれたケースから働く人の姿を感じ、美味しい沢庵ができることを想像します。
優秀賞
『棚田の朝』
撮影者 林 昌尚 撮影場所 越前市中津原町 撮影時期 平成26年7月21日 選評
たくさんの蜘蛛の巣があることで、この水田にはたくさんの虫が生息している環境であることを感じます。稲の葉先や蜘蛛の巣についた朝露が輝く美しい光。遠くの棚田にはまだ光が当たる前で暗く描写され、画面全体の光のトーンに奥行きの感じられる田んぼ風景です。
優秀賞
『太陽の下で』
撮影者 玉村 心優 撮影場所 福井市 撮影時期 3月 選評
大胆なチューリップの配置と画面左上から降り注ぐ光に引き込まれる作品です。畑仕事をされる方のひたむきなご様子や日本家屋の美しさもありほっと安心させられるシーンです。大好きな人を写している感じが伝わってきます。そして、隙のない素晴らしい構図です。
入選
『第二の故郷』
撮影者 大谷 繁一 撮影場所 あわら市河間 撮影時期 2月 入選
『夜の勝山城』
撮影者 佐々木 修 撮影場所 勝山市平泉寺町平泉寺 撮影時期 令和4年5月18日 入選
『すくすく育て!』
撮影者 髙原 明美 撮影場所 福井市 撮影時期 令和4年5月12日 入選
『棚田の春』
撮影者 原田 壽 撮影場所 小浜市田烏 撮影時期 令和4年4月28日 入選
『最盛期』
撮影者 田川 悦男 撮影場所 南越前町合波 撮影時期 令和4年11月28日 地域部門賞(福井)
『ひまわりの絨毯』
撮影者 尾川 久雄 撮影場所 福井市高屋町 撮影時期 令和4年8月5日 地域部門賞(坂井)
『にぎやかな田植え』
撮影者 山口 誠 撮影場所 あわら市菅野 撮影時期 令和4年5月 地域部門賞(奥越)
『幾何学模様の農業』
撮影者 坂本 英継 撮影場所 大野市蕨生 撮影時期 平成29年5月29日 地域部門賞(丹南)
『花はすの見ていた空』
撮影者 藤村 留美 撮影場所 南越前町 撮影時期 令和4年7月 地域部門賞(嶺南)
『帰路』
撮影者 知見 治 撮影場所 おおい町名田庄中 撮影時期 令和4年5月